無茶な長距離を、電欠するところギリギリまで電動バイクで走り込んで、電欠した場所で触れ合う人々やお店に「充電させてもらえませんか?」と頼み込むちょっと変わった旅番組。彼らが乗り込む電動バイクはヤマハ「E-Vino」で、台湾ヤマハ製造のEVスクーターです。
「E-Vino」は、中肉中背の男性が乗って最高速度が45km/h程度(ブースト時)をはじき出すパワーがあるそうです。カタログスペックでは航続距離が29kmと記されていますが、55kgの体重の人が無風状態で30km/hの定速で走った時の距離ですので、街中での実質的な航続距離は17~19kmと言われます。
でも、原付一種のユーザーのほとんどが半径5km内での使用という統計から逆算して開発されたスペックなので、大抵の人には不足はほとんどないと思います。さらにオプションで予備バッテリーが搭載できるので、予備さえあればポテンシャルとしては倍の距離を走ることができます。実質的に35kmは堅いところでしょう。
インホイールモーターでなくギアトレインなので、極低速での走行に力を発揮します。つまり、出足が良いということ。標準モードとパワーモードの二つの走行モードがあり、パワーモードをメインにしても前述の実質航続距離が保てるようなので、短すぎることはないでしょう。
番組のようなとてつもない長距離をこの電動バイクで走ろうと思う人は皆無でしょうから、乗るたびに毎度毎度「電気が切れた~」なんて大騒ぎにはなりません。個人的にも、通勤に使わないときは大体5km圏内での使用ですし、満充電からの電欠経験は皆無。通勤に使った上で、どこかに寄り道したり別の場所へ移動したりを挟んでも、一日せいぜい20km以内の走行に留まります。17km~19km走れるなら、十分おつりがくると思われます。
車体はガソリン「Vino」の流用です。オリジナル車体で値段が高かった電動バイク「ECシリーズ」をやめ、「20万円以下の電動バイクを作る」という公約?に基づいたヤマハのコスト圧縮策。おかげで車体費用を219,000円に抑え、さらに補助金が2万円出ることから、実質199,000円という公約通りの電動バイクを完成させました。さすが大メーカー。すごいですよね。
「サンボーイ」で感じていた後続車への申し訳ない感じ(今は感じませんがw)は、「E-Vino」にはないと思いますので、原付一種で問題ないという人はこれ以上ない機種であるのはたしか。何と言ってもショップが沢山ありますので、メンテナンスの心配がないのは安心です。
番組をご覧になって興味を持たれた人は、ぜひ試乗をお勧めします!