こんにちは。リチウムバッテリーの電動バイクしか乗ったことがないストロベリンです。ウチはマンション住まいなので、着脱式でないと充電できないからです。
EVのバッテリーには大別すると鉛バッテリーとリチウムバッテリーとの二つがあり、性質や特徴がそれぞれ異なります。一長一短なのですが、現在はリチウムバッテリーの電動バイクが主流です。容量のわりに軽量で、出力が安定し、着脱式にしても重すぎないという理由です。
だからといって、鉛バッテリーがダメダメということではありません。それぞれどんな特徴があるでしょうか。
■鉛蓄バッテリー(シリコンバッテリー)
鉛バッテリーはコストが安い代わりに寿命が短く、電池残量に応じて出力も下がっていきます。また、常に満充電にしておいた方がいいバッテリーで、仮に完全放電してもまた充電すれば使えます。メンテンナンスが簡単ですが、自然放電するので、長期保管する場合には定期的に満充電にしておかないと劣化を早めます。
シリコンバッテリーというのは鉛バッテリーの一種です。中身の溶液の種類が異なり、寿命と関連するサルフェーションと呼ばれる電極部分に粉を吹くような現象が少なくなっています。そのため寿命が少し長いです。
寿命を迎えるまでの充電回数はだいたい300回。シリコンバッテリーで500回ぐらい。150~200回ぐらいを過ぎると最大出力は徐々に下がっていき、パフォーマンスは落ちていきます。大きく、重たいので、着脱式には適していませんが、安く、状態が分かりやすいバッテリーではあります。
■リチウムバッテリー
一方のリチウムバッテリーは寿命が長く、電気残量が減っていっても出力は比較的安定しています。ただ、過充電、過放電すると劣化して使えなくなってしまうという性質があり、大抵のリチウムバッテリーには過充電も完全放電もさせないような、BMSと呼ばれる保護回路が付いていて、電圧や電流を制御しています。だから高価ということもあります。
自然放電がほぼないので、長期保管する場合には半分ぐらいの残量で保管しておくとよく、満充電にしたまま長期保管するとむしろ劣化を早めます。少なすぎても同じだそう。
寿命までの充電回数は1000回~1500回。リチウムバッテリーの中でも種類があり、今最も寿命が長いのは愛機の「EM100」や、ツバメ・イータイム「BIZMOⅡ」で使われている三元素リチウムバッテリーというタイプでしょう。反面、それだけ高価ということ。
リチウムバッテリーは同じ電気容量の鉛バッテリーよりもずっと小さく、軽くできるので、着脱式になっているケースがほとんど。ただ、常に出力が安定しているので劣化状態が掴みにくいとは言えます。突然死するのもリチウムバッテリーには多いようです。
■それぞれのメリット
昨今はリチウムバッテリーが主流と言いつつ、鉛バッテリーを使用している新車販売中の電動バイクもまだまだ健在です。寿命が短い(充電回数で300回程度)とはいえ、コストが安い(5~6万円程度)ので、車体価格を抑えられるからです。交換してもそう高くはありません。ただ、鉛バッテリーは着脱式ではないケースがほとんどですので、家での充電は車両本体に直接充電しないとならず、所有環境を限定します。
ほとんどが着脱式で、バッテリーだけを屋内に入れて充電できるリチウムバッテリーは、駐輪場にコンセントがなくても充電可能というメリットがあります。集合住宅などにお住まいの人でも使用できるので、幅広い住環境に適応できるわけです。
反面、リチウムバッテリーは20Ahの容量で約10万円~13万円ぐらいで高価なのがデメリット。同容量の「EM100」で一つのバッテリーが10万円しました。鉛バッテリーの倍ぐらいだと考えていいと思います。リチウムバッテリー搭載の電動バイク価格は、その半分以上がバッテリー代だったりもしています。
電動バイクが高いと思われてしまう理由は、バッテリー代の影響が大きいですよね。でも、燃料費は断然安くなりますし、メンテナンス費はほとんど掛かりません。その分を先払いしているイメージで本体価格を捉えていただけると、そう高くも感じられないのではと思います。
逆に、バッテリー代を差し引いた時の本体価格がエンジンバイクに比べて極端に安いバイクは、車体が脆い可能性があります。安い電動バイクを安易におススメできない理由。やはり乗り物なので、安全な車両に乗りたいはずですから、その辺りもしっかり考慮した電動バイク選びをしてほしいなと思います。